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泉やすしのITトレンド

クラウドの衝撃

今回もクラウドの話をしてみましょう。

ビジネスでは「PDCA」という言葉を良く耳にしますよね。
「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(検証)」「Act(改善)」というサイクルで、業務の見直しを図り、より効率的に進めるようにする手法のことです。

僕たちが作っているWEBサイトでは、PDCAを回すことは比較的容易なんです。
仮説を立ててから、デザインやシステム設計を構築し、WEBサイトをいったん作って公開する。
その後にアクセスログ等の分析結果により、仮説の成否を検証し、そこから改善案を導きだす。
これを繰り返すことで、よりよいWEBサイトを作っていくことができるわけです。

このPDCAサイクル、ソフトウェア(WEBサイト構築やシステム開発)での導入は比較的容易なのですが、インフラやハードウェア(PCやサーバー等)では容易に導入することができないんです。だって、設備投資費用って、5年10年かけて償却されるものなので、カンタンにPDCAは回せないのです…。

たとえば、サーバー構成のプランニングの時に、必要とされるであろうスペックや容量をあらかじめ見極め、現場の状況に応じて適切な規模に最適化する……いわゆる「サイジング」の定義は非常に難易度が高く、高度な知識と経験値が必要な業務なのです。

担当者は、ある程度バッファー(Plan)を想定したうえで、インフラ投資(Do)して、実際にそれだけのスペックで足りるのかを検証(Check)して、サイジング(Act)を定義しなければならない。
これ、本当に大変なんですよ。長いこと商売していますが、「サイジング」が適切かだったかどうかなんて誰にもわかりっこないですよ。ほとんどの場合、かなり余裕をみたスペックが定義されているはずです(笑)。

しかし、クラウドがこの常識を変えたのです!
インフラハードでは難しいと言われたPDCAを容易に回せるようになったのです。

クラウド上の仮想環境に、必要なサーバーを目算のサイジングで構築します。そうして、実際にWEBサイトやシステムをのっけてみて動かしてみる。amazonのクラウドサービスなんかでは、スペック不足でサーバ環境に想定以上の負荷がかかると、クラウド側でCPUやメモリなどの環境を自動的に最適化してくれるんです。(もちろんしきい値等の初期設定は必要)

アクセスが集中し始めたら、自動的に負荷分散したり冗長化したり、それはもういたせりつくせりです。
ちなみに冗長化というのは、例えば同じ内容のサーバーを別途用意して、アクセス集中によるサーバー負荷を減らすようにアクセスを分散すること。サイトにアクセスが集中したら、2つにサーバーを冗長化する。それでも足りなければ3つに、まだ足りなければ4つに、というようにどんどん冗長化してくれる。素敵なサービスでしょ。

ただし、注意すべきは利用料金。ほとんどクラウドサービスはトラフィックのデータ量での課金なので、アクセス数の多いサイトなんかでは、逆に費用が高くつくケースもあります。通常の企業のWEBサイトのようにテキスト+画像データ主体の静的コンテンツだったらまったく問題なし。間違いなく安くなります。

クラウドの出現は、ある意味、これまでのインフラ構築のビジネスモデルを根底からひっくり返すほどの衝撃じゃないかと思っています。

仮説を立てる前に、「まずやってみよう」となるから新規事業もスタートしやすくなる。
このクラウドのおかげで、様々な分野でPDCAを回しやすくなるんじゃないかなと思います。

「できるかな?」から「やってみよう!」へ変えていく…これが、僕と、クラウドの「いまのキーワード」かな。

泉 やすし